先日「親の認知症に気づいたら読む本」で知った「LMTX」。
アルツハイマー病の原因であるアミロイドβとタウの内、タウの方を叩く治療薬として臨床実験が進められています。
その先日の記事で「7月に結果の発表ができるだろうとの記事を見つけました」と書いたのですが…7月って2016年の7月! ごめんなさい。今年の7月とばっかり…

アルツハイマー新薬、フェーズ3の高い壁…過去16年、成功確率わずか3.1%

新薬への希望は、またしても失望に変わりました。
米イーライリリーは11月23日、アルツハイマー型認知症を対象に開発を進めてきた抗アミロイドβ抗体ソラネズマブについて、軽度患者を対象とした臨床第3相(P3)試験で主要評価項目を満たすことができなかったと発表。
7月には、シンガポールのTauRxセラピューティクスが、タウタンパク質を標的としたアルツハイマー病治療薬のP3試験に失敗しました。
世界的に患者増が予想される中、いまだ治療法の限られるアルツハイマー病。
アンメット・メディカル・ニーズの高い疾患の代表格で、より根治的な疾患修飾薬の登場が待たれていますが、そこにはP3試験の高い壁が立ちはだかっています。

ソラネズマブ、2度目のP3試験失敗
「ソラネズマブのEXPEDITION3試験の結果は期待とは異なるものだった。
何百万人もの方々が、有望なアルツハイマー病の疾患修飾薬の登場を待っていることを考えると、大変残念に思っている」
米イーライリリーは11月23日(現地時間)、軽度のアルツハイマー型認知症を対象とした抗アミロイドβ抗体ソラネズマブの臨床第3相(P3)試験「EXPEDITION3」で、主要評価項目を達成することができなかったと発表しました。

有望と期待された新薬は、ことごとくP3試験の高い壁に跳ね返されています。
ソラネズマブが最初のP3試験に失敗したのとほぼ同じ時期の12年夏、米ファイザーも抗アミロイドβ抗体バピネオズマブのP3試験で主要評価項目を達成することができず、開発を断念しました。
16年7月には、シンガポールのTauRXファーマシューティカルズが、タウタンパク質をターゲットに開発中の「LMTX」について、軽度または中等度の患者を対象としたP3試験で主要評価項目を達成することができなかったと発表。
タウタンパク質を標的としたアルツハイマー病治療薬がP3試験にこぎ着けたのは「LMTX」が初めてだっただけに、試験失敗の知らせは世界中に大きな衝撃を与えました。

情報源: アルツハイマー新薬、フェーズ3の高い壁…過去16年、成功確率わずか3.1% | AnswersNews

2016年11月30日の記事でした。
残念です。
臨床第2相試験での結果で、80%の患者に効果が認められたという報告があったので、すごくすごく期待していました。
詳しいことは勉強不足で解りませんが、どういうことなんでしょう?
80%の効果…臨床試験というと、すでにある類似薬と比較する方法か、新薬であれば対照薬がないこともありプラセボで比較試験を行うと聴いたことがます。
プラセボでもある程度の効き目がみられることが珍しくないとも聴きます。プラセボ効果ですね。
もう、80%の効果が見られて重篤な副作用が出ないんだったら、その薬をしげさんにくださいな。…なんて思っちゃう。

アルツハイマー病治療薬の開発はとても困難で、1998~04年に臨床試験を行ったアルツハイマー病治療薬127剤のうち123剤が開発を中止(!) 承認取得に至ったのはわずか4剤で、成功確率はわずか3.1%(臨床試験に進まなかったものは含まず)だそうです。

その理由としてあげられているのは、

  • 疾患の根本的な原因とメカニズムが分かっていない。
  • 前臨床モデル(動物モデルなど)に限界がある。ヒトでの薬物の効果を予測しにくいということ。
  • 疾患の存在と進行を同定するための有効で非侵襲的なバイオマーカーが存在しない。
  • こうした課題を克服することが、アルツハイマー病に対する創薬の成功に不可欠だと指摘しています。

米リリーの科学技術担当エクゼクティブ・バイスプレジデントのヤン・ルンドバーグ氏は、ソラネズマブのP3試験失敗を発表したプレスリリースで、引き続きアルツハイマー病治療薬開発に投資を続けていく方針を示しました。米リリーのパイプラインには、ソラネズマブのほかにも、英アストラゼネカと共同開発するBACE阻害薬など、5つのアルツハイマー病治療薬が控えています。

日本では、MSDがBACE阻害薬「MK-8931」のP3試験を実施中。
BACE阻害薬は、アミロイド前駆体タンパク質のβサイトを切断する酵素の働きを阻害することで、アミロイドβの蓄積を防ぐ効果が期待されている薬剤だそうです。
アストラゼネカとリリーのBACE阻害薬「AZD3293」は、日本でもP2/3試験が進行しています。
中外製薬の抗アミロイドβ抗体「RG1450」もP3試験を実施中です。

海外では、エーザイのBACE阻害薬「E2609」がP3試験の段階に。
日本も国際共同P3試験に参加している米バイオジェンの抗アミロイドβ抗体aducanumabも、これまでの臨床試験で良好な結果を出しており、期待が高まっています。
これら2剤はいずれも米FDAから、アンメット・メディカル・ニーズを満たす可能性のある薬剤の承認審査を迅速化する「ファスト・トラック」に指定されているそうです。
エーザイのニュースリリースにも報告がありました。

アルツハイマー病の根本的なメカニズムが判明し、根本治療できる病気になりますように。

ちなみに、「ファスト・トラック」とは、画期的な新薬について優先的に審査する迅速審査制度だそう。
癌やエイズや生活習慣病(糖尿病等)のような完治が難しい疾患に対して、高い治療効果が期待される新薬を優先的に審査して、臨床試験期間を短縮し早期実用化を促す制度ということです。

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