千葉県浦安市の挑戦

マンションの一人暮らし高齢者の見守り実証試験
市町村の取り組みの一例として、千葉県浦安市が2016年度に実施しているICTを活用したマンションでの一人暮らし高齢者の見守りの実証試験を紹介する。

浦安市は、市域の約4分の3を1960年代後半以降に造成された埋立地が占める。東京都心までの交通アクセスの良さ、東京ディズニーリゾートがあること、埋立地という利点を生かし計画的に整備されたマンション群の住環境の良さ、住民と行政が連携したまちづくりも盛んで、住宅地として全国でも有数の高い人気を誇る。 こうした経緯から同市はマンション居住者が多いが、マンションは、侵入口が入り口ドアしかなく、緊急時でも窓ガラスを破って救出することができない構造の物件が多い。マンションの管理組合や管理会社は鍵を預からないことが多く、居住者が室内で倒れていても自分で鍵を開けられない場合、救出できないことが市の課題であった。 そこで、市はセンサと宅配の預かりロッカーの鍵開けシステムの技術を有するメーカーと介護事業者の業界団体(一般社団法人全国介護事業者協議会)と連携して、市内の高層マンションの老人クラブと住民の協力も得て、約半年、実証試験を行い、見守りのあり方を検討した。

情報源: みずほ情報総研 : マンションの一人暮らし高齢者の見守りのあり方

この実証試験における一人暮らし高齢者世帯に設置する機器構成は、親機1台と子機3台の組み合わせを基本としたそうです。


○ 子機1 → 居間・寝室などに設置の「生体センサ」により非接触で体動・呼吸などの生体情報を検知する。さらに温度・照度などを検知することにより、居住者の活動・安静状態や生活環境の情報を取得。

○ 子機2 → 玄関・廊下・洗面所・トイレなどに設置の「人感センサ」で温度・湿度などを検知し居住者の活動情報を取得する。

○ 子機3 → 玄関ドアに設置して施錠状態の時に居住者が屋内で倒れるなどした場合、遠隔操作で玄関ドアを開錠する。

○ 親機 → 外部や子機との通信とデータ解析に使用。

センサ情報から通常と異なる状況を察知すると、予め通報先として登録された別居の家族、近隣住民などにアラーム(警報)をメールで知らせる。
アラームを受け取った家族、近隣住民は本人への確認や駆けつけを行う。
緊急の場合には、予め決めておいた家族等の特定権限者が遠隔操作で開錠を行い、駆けつけた家族や近隣住民が中に入り救助活動を行い、玄関ドアを破壊することなく救助できる。


「居住者が機器を身につける必要がなくわずらわしさがない『非接触型』である」
「自ら緊急通報を行わなくてもセンサが緊急事態を判断してアラームを発する」
「家族や近隣住民がアラームをメールで受け取れる」
「鍵を預けたりドアを破壊することなく鍵を開けられる」という仕組みだそうですが、よく考えられているなあと感心しました。
とくに、近隣住民が異常を知るっていうのはマンションに住む私としては、良いなあと。すぐに見に行けますもの。

そして、半年間の実証試験で得られた課題が次の5項目だそうです。

(1)必要性の認識のずれ
家族や近隣住民は心配だが、高齢者自身はまだ大丈夫、監視されているようだと感じるなど、見守りの必要性の認識にずれがある。
すごく納得! 高齢者自身は「大丈夫」ってね。なにが大丈夫なんだよ。

(2)高齢者の機器操作
高齢者同士の見守りを実現するためには、高齢者自身の携帯電話、スマートフォン、タブレット、パソコン等の操作が必要となるが、一般に高齢者は機器の操作に不慣れである。
ですよね。

(3)機器の性能の改良の必要性
「生体センサ」の誤認識(ペットや置き時計の振り子の揺れを人の呼吸や動きと検知するなど)、センサの検出エリアの限界(部屋が広いとセンサが届かず死角ができるなど)、異常判定の困難さ(体調不調で倒れている時と睡眠状態との判定ができない)の改良などが必要。
そうなんだ…。誤認識があるんですね。まったくノーマークでした。
これでは余計な心配が発生しちゃうな。

(4)運営主体、体制の確保
信頼できる仕組みの運営主体の確保、個人のニーズに合った見守り方法の提供、駆けつけ体制の整備が課題となる。

(5)費用負担
機器設置の初期費用、毎月の運用管理費用、駆けつけが発生した際の料金等の費用負担。

なかなか興味深い実証実験です。
実証試験に参加した住民の一人が、「私は施設や病院からではなく、自宅マンションからあの世に旅立ちたい。そのためにはICTと人を組み合わせた見守りのしくみが今後は必要だと思う」と冗談混じりにおっしゃっていたそう。

余談ですが、私「ICT」の意味が解らなくてググりました。
ICTは、Information and Communication Technologyの略。「情報通信技術」で、IT(Information Technology)とほぼ同義の意味だそうです。なんだITのことか。もう少し狭めると「通信技術を使ったコミュニケーション」だそうです。

個人の住まいに見守り機能。
見守る立場から言わせてもらうと「欲しい機能」です。
ただし実際に暮らしを見守られる側にしたら、好意的な意見ばかりではないんだろうな…。
「監視されてるようで嫌だ」と感じるのも理解できますもんね。

私の住まいから、父・しげさんがひとり暮らしをするアパートまでは約1時間20分ほど。
行って用事を済ませて帰ってくると半日を費やす。
「ちょっと様子が気になって見に行く」と、色々な所にしわ寄せが来ちゃうんだよな。
でも、電話に出ないことが良くあるしげさん、心配なのよね。
悩ましい〜

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