相変わらず、父・しげさんは「病院に行く」と言わない。
「もう少ししたらね。気持ちがちゃんとできたら僕の方から電話するね。」と。

気持ちがちゃんとできたら…。
わからなくもないが、これに付き合っていてはいけないような気がしている。

『亡くなる直前もラーメン、35年前に姿を消した父の「迷惑な」最期〈孤独死大国・上〉』という記事を目にした。
「孤独死」についての記事である。
父親の孤独死に直面した会社員・徳山さんのケースを紹介している。

この会社員・徳山さんの父親はかつては大手自動車メーカーに勤務し、製造ラインで自動車の部品を作っていた。
しかし、あるときからアルコールに入り浸るようになり、複数の飲み屋などにツケを抱え、消費者金融に足繁く通い借金を作るようになる。
しまいには住宅ローンの返済も滞るようになった。

一家の家計は火の車となり、両親は33年前に離婚。
以後ずっと音信不通だったため、他人同然だったという。

お! しげさんと良く似たパターンだな。

そのため、降って湧いたような突然の父親の訃報に徳山さんは困惑した。
母親はとうに離婚しているので、実子で長男である徳山さんに警察から連絡がいったのだが、その事態を理解するまでに、少し時間がかかったのは言うまでもない。
母親も父親の死を後ほど知らされたが、あからさまに関わりたくなさそうな態度だった。

うわ! ホントに良く似ている。
私の母も関わりたくないと、堂々と公言している。
そのしわ寄せは、実子である私と姉に来ると思われる。
よくあるパターンなんだろうな…。

「だって、今まで散々家族に迷惑をかけてるんですよ。オヤジに対して、心情的には恨みつらみだけしかないんですよ。全く良いイメージがないですからね。だからできるだけ関わりたくなかったんです。どこかで借金しているかもわからないしね」と、徳山さんは語る。

わかるよ。
その気持ち。
でも、恨み続けるというのも体力を消耗しそうだ。
なるべく早く手放してしまった方が良いんだけどな…

ちなみに記事の中では「孤独死のコスト」というものが書かれていた。

葬儀社へ支払った埋葬代込みの費用が10万8000円、斎場代(棺桶台と、冷蔵庫2日分込み)が1万9744円。家財道具処分費用が28万円、死体検案書3万5000円。その他にも、父親が滞納したクレジットカード代、アパートのハウスクリーニング費用など、徳山さんは諸々総計すると、60万円近くを支払った。
これが、世間ではあまり知られていない孤独死のコストだ――。

60万という金額が、高いのか安いのかも正直、解らない。
ただ、迷惑であるのは確かだ。
終活って大切だよな。

この会社員の方は、知り合いの葬儀社の提案で、火葬から納骨までを一括で依頼できるコースを選択したそう。
父親の骨が火葬場から最後にどこにいったのかは知らないし、特に知りたくもないと思っているということだ。

そこまで恨んでいる父親ならば、60万という費用は随分と高く感じるだろう。

記事のタイトルに「亡くなる直前もラーメン」とあるのは、この父親がラーメンを作っているときに亡くなったからだ。
ガス台のコンロには作りかけのインスタントラーメンが残されていたそう。

こんなニュースを見ると、しげさんのことが心配になる。
でるかな? と思いつつ電話をする。

やっぱり出ないな。

…と、折り返してきた♪

しげさん「電話くれたよね」
私「ごめんね。忙しかった?」
しげさん「全然!」

その後は、雑談。
その中で、腰の痛みは大丈夫なのかと聞き出す。
いつもの通り、「買い物と散歩には行っているが、アパートの前の急な坂道が大変なんだ」と話すしげさん。

しげさんのアパートの前には、かなり急な坂道がある。
そしてしげさんの部屋は2階なので、階段を上り下りしなくてはならない。
その階段で足を滑らせて尻もちをつき、腰を痛めたこともある。

腰を痛めたくらいで良かった。
もし、骨折でもしていたら、寝たきりになってしまっていた可能性だってあるだろう。
骨折をきっかけに寝たきりになってしまう高齢者はとても多いと聞く。

毎日のことなんだから大変だったら引越しも考えてみたら?
と尋ねる。
しげさんは、生活保護で生活している。
年金と、足りない分を生活保護を支給してもらっているそうだ。
住居も現物支給ではなく、家賃という形で現金で支給されているらしい。
もちろん引越しも不可能ではない。

私「毎日のことなんだから大変だったら引越しも考えてみたら?」
しげさん「2階の方が安全なんだよね。」
私「え? どういうこと?」
しげさん「アパートはね、鉄筋コンクリートでできているから2階の方が安全なんだよ。」

はぁ。そうなの…

しげさん「そうなんだよ。そういうわけだからさ!」

どうゆうわけだよ! なんの安全だ!

鉄筋コンクリート云々のくだりは、若干得意げでさえあった!
子供に教えてあげている父親を満喫してたな。

地震とか天災の際に安全ってことなのか?

そこなの? 危機管理は、そこなの?
確かに大事だが。

もっと身近に危機があるじゃん!

しげさんの優先順位がどうにも解らん。
以前、万引きをして自殺をすると騒ぎ立てて保護された際にも同じようなことあったな。

どうしたい? の問いかけに、
「臓器移植のドナー登録をしたい」
って答えたよ!

さ、先に病院行けよ〜

しかし、意外と調子が良さそうで一安心したのは確か
まったく、しょーもない、じいさんだよ♪

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