認知症の告知に「希望」を 津の医師が手作り冊子

認知症と診断された人に渡すオリジナルの冊子を、津市榊原町にある榊原白鳳病院の笠間睦医師(58)が作った。
「診断されて絶望した」という当事者の切実な声を受けて、「希望」につながる情報を盛り込んだ。
認知症の進行があまり目立たない症例もあることや、当事者が体験を記した本などを紹介している。

「早期発見が『早期絶望』にしかならない」
6月初め。伊勢市であったフォーラムで、認知症の一つ「レビー小体型認知症」と診断された樋口直美さん(54)が訴えた。
認知症の人に対して「理解力がなく、何をするか分からない」といった偏見があると指摘。
「(当事者に)意思や思いがあることを、誰も思ってくれない」。当事者の絶望感をこう表現した。

笠間さんは「もの忘れ外来」の認知症専門医として、3年前から、原則すべての希望者に認知症の診断結果を告知してきた。
症状が進んで「最期の医療」が求められるとき、点滴をするのか、胃に穴を開けて栄養剤を入れる「胃ろう」を選ぶのかなど、様々な選択肢がある。本人の意思を尊重するには事前に告知して意思を確かめておく必要がある、と考えるからだ。

一方で、樋口さんをはじめ全国の当事者十数人とフェイスブックを通じて交流する中で「告知されても希望を持てなかった」という声を聞いた。こうして、笠間さんは昨年10月、オリジナルの冊子を作った。
冊子はB5判。認知症に関する研究成果や講演の内容などを載せた。
研究に基づき、アルツハイマー病について「きちんと治療とケアをすれば2年程度は進行はあまり目立たない」とする内容も紹介している。

朝日新聞のサイト(旧アスパラクラブ)に執筆した内容も紹介。米国の高齢の修道女678人を死後に病理解剖した研究では、脳にアルツハイマー病の病理所見がある人のうち4分の1は、生前に認知機能に問題がなかった、という。
冊子は最初、医学的な内容を中心に数ページだった。これまでに外来患者約30人に手渡したところ「もっと情報がほしい」と言われ、22回改訂して19ページに増えた。「医学的な診断だけではケアしきれない『心』の部分をサポートしたい」と笠間さん。自身の「So-netブログ」で公開している。問い合わせは榊原白鳳病院(059・252・2300)。(高木文子)

情報源: 三重)認知症の告知に「希望」を 津の医師が手作り冊子:朝日新聞デジタル

ニュースの中で紹介されている、認知症の一つ「レビー小体型認知症」と診断された樋口直美さんがTwitterで冊子を配布してくれていました。

冊子は、「早期発見が「早期絶望」にしかならない悲惨な現状を変えよう」という趣旨の通り、きちんと治療とケアをして進行を遅らせている例などを、具体的な治療を機序と共に掲載している。

認知症の前段階と言われる「軽度認知障害(MCI)」の高齢住民を4年間追跡調査したところ、14%が認知症に進んだ一方、46%は正常に戻ったとの研究結果(国立長寿医療研究センター)なども盛り込まれている。

冊子の最後には中日新聞に笠間医師が紹介された記事がある。

認知症早期告知の試み
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20161129143827510
榊原白鳳病院(津市)もの忘れ外来の認知症専門医、笠間睦(あつし)さん(58)は今春から、初期段階の認知症患者本人に、認知症であることの告知を試みている。
希望する人にはさらに、今後どのように症状が進行するかも伝えている。
認知症が進行して終末期を迎えると、本人の希望を医療に反映させるのは難しい。そこで、症状が軽いうちに本人の意向を聞き、最期まで患者の尊厳を保とうという取り組みだ。(稲田雅文)

認知症の告知は、患者を絶望させかねないため、積極的に行う医師は少ないという。首都大学東京の繁田雅弘教授らが2010年に首都圏の認知症患者の家族399人を対象に実施した調査では、本人が告知を受けたのは43.9%だった。終末期の看取りについて説明されたのは19.8%にとどまる。
あえて笠間さんが取り組むのは、まだ判断力が残る認知症の初期段階で本人の意向を聞き、終末期医療を患者自身に決めてもらうためだ。
笠間さんが主治医を務めるアルツハイマー病の80代女性は、肺炎を起こして入院し、家族の希望で鼻からチューブを入れる経管栄養になってから6年半、意識が戻らない。終末期に近づくと口から食事ができなくなり、胃ろうや経管栄養に踏み切るのか、判断を迫られることが多い。終末期の医療について家族と話し合っていなかった場合、家族や医師が以前の本人の言動から希望を推定し、代わりに判断することになる。しかし、笠間さんは「実際は本人の希望ではなく、家族や医師の希望になってしまうことが往々にしてある」と話す。笠間さんは胃ろうなどを否定しているわけではない。
それでも、長い期間、栄養を受け続ける女性の姿は「多くの人にとって、望む終末期ではないのではないか」と映る。
終末期医療を本人に決めてもらうためには、情報提供が欠かせない。そこで、希望者に病名の告知とともに予後の説明もするようにした。
11月下旬までの間に新たに訪れた患者15人に聞いたところ、7人が病名の告知を希望。うち4人が経過の説明も望んだ。終末期に行われる処置について長所や短所を説明して希望を聞くと、胃ろうや経管栄養を希望した人はいなかった。

「告知が、本人と家族が終末期医療について話し合うきっかけにもなれば」と笠間さんは考える。
三重県四日市市で10月中旬にあった「認知症サミットin Mie」。39歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断され、演台に立った仙台市の丹野智文さん(42)に、笠間さんは「認知症の告知の際に医師に望む伝え方は」と質問した。丹野さんは「病気の説明だけでなく、どう生きていけるのか、希望を与えてほしい。患者会などの居場所や窓口にもつないでほしい」と語った。こうした経験から、希望となる情報の提供の重要性を感じた笠間さんは最近「『早期発見→告知』が早期絶望とならないように!」と題したパンフレットを作製し、認知症と診断した人に渡している。
一般的な経過の説明とともに、アルツハイマー病は適切に治療とケアをすれば2年程度は進行が目立たないことなどを盛り込んだ。
笠間さんは「希望の部分を伝えず、ただ病名だけを伝える告知もあると聞く。絶望しない告知の在り方を今後も模索していきたい」と話す。

こんなにも告知されていないということに驚いた!
私だったら知らせて欲しいと思うし、「おかしいな」と思ったら自分で検査をしに行くと思うな。

…いや、どうだろ。
実際に、認知症が疑われるような不安な症状が自分に現れたとき、同じことが言えるかは解らない。

不安だよな。

父・しげさんが、病院の検査をドタキャンしたとき
「恐怖心が出てきちゃったんだよ」と言っていた。
そのときは、MRIの検査が怖いのか、診断が怖いのか、ただ行きたくないのか、解りかねて途方に暮れました。
でも最近なんとなく思います。
しげさんの言った「恐怖心」は、もしかしたら診断されることの恐怖心だったのかもしれない。

「今、無理したら駄目になっちゃう気がするんだ」
これも、その時、しげさんが言っていたこと。

また、ムード派! 村上春樹か!

でも、その後のしげさんの生活を見ていると、しげさんなりに頑張っているんです。
毎日散歩に行くように心がけたり、その散歩の目的地であるコンビニで野菜ジュースと乳酸菌飲料を買ってきたり…。
単純で些細なことですが、なんとなく気分も良さそうです。

私は、しげさんに病院に行って欲しいと思っています。
迷子になった直後は、嘘をついてでも、無理矢理にでも連れて行きたいと考えていました。

最近は、しげさんの気分が良さそうなのも手伝ってか、「しげさんが病院に行ってくれるタイミングを待とうかな」とも思ったりもします。

本当は、きちんと検査を受け現状を把握した上で治療を受けたり、介護の制度を利用したりしたいんだけどな。
病院にも行かずに、ただそーっと過ごすという、この「綱渡り感」が私の精神衛生に良くないんだけどな。

いや、なんとかなると思うことにしよっと♪
きっとそのうち病院にも行ってくれるはず。
笠間医師、素敵なお医者さんだな。

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