遠距離介護1:認知症を認めないプライド富士山のオニババを3年がかりで病院に連れていく編

転勤族のバイブル・介護関係者必見の書「遠距離介護」3部作の第1弾

父の死をきっかけに母の言動に異変が現れた定まらぬ視線、かみ合わない会話、記憶障害。早く病院に連れて行かなくては――。焦りは募るばかり。「認知症かもしれんから病院行って」。いきなりの告知に激高する71歳の母は、病院行きを頑として拒み、独り暮らしでどんどん引きこもりがちに。最悪の状態で遠距離介護が始まった。
病気の自覚がなく、認知症を認めようとしない初期の患者。遠距離介護で様子を見に行けるのは2、3か月に1度。介護の目が届かない中、家族はどうやって病院を受診させ、介護保険サービスを受けさせればいいのか。6年間に及ぶ遠距離介護のドタバタ悲喜劇をつづる第1弾。小説とエッセイの手法を盛り込んだ、軽いタッチのノンフィクション。

出版社から
本の根底にあるメッセージは三つ。「認知症を諦めない」「諦めなければ道は開ける」「人間、最後の救いは笑い」。認知症介護を抱えるすべての家族、将来の親の介護に不安を抱く心優しい子どもたちへの応援歌。自身の認知症予防を考え始めた4、50代にもオススメです。

「家族はどうやって病院を受診させ、介護保険サービスを受けさせればいいのか。」

それ! 気になります!


目次
1 誤診?  遠距離介護3年目で勝ち取ったアルツハイマー病診断、そのとき、母は……
2 突然   認知症の症状を発症したきっかけは……
3 別離   父の葬儀で爆発させた不満
4 異変   しっかり者だった母の突然の変調
5 北風   いきなりの認知症の告知に激怒する母、親子に走る亀裂
6 引越   独り暮らしになった母が突然の引っ越し宣言
7 外交   一人で引っ越しを強行、新居をゴミ屋敷へ
8 小人   ゴミ屋敷改善のヒントはグリム童話に
9 弁護士  母が大切にしていた大量の本を「断捨離」。待っていたのは怒りの報復
10老床夢
11神様
12駆込寺
13話題深
14イデン
15ガサかけ
16銀行対策 資産防衛に手をこまねいている間に、母の預金が危機に
17味方は誰
18恨まれて
19救世主は 病院を受診させることができないまま3年が経過。ついに救世主現る
20ネコ電車
21漢字検定
22要介護度 ようやく下された要介護度の判定。公的介護サービスの利用開始まであとわずか
23楽しい? 嫌がる母をデイサービスに通わせるには
24二重予約 日付も曜日もわからない母。頭の中のカレンダーはどうなっているの?
25予定管理 認知症で独り暮らし。毎週決まった時間にデイサービスに通わせる秘策は?
26ケアマネ 地域包括支援センターを通じて選んだケアマネが、融通の利かない原理主義者だったら
27たんぽぽ
28ゾウガメ
29ごたごた
30やまんば 

付録 遠距離介護お勧めグッズ


3年がかりで病院に! 3年!
著者の本能寺逢休(あいく)さんが、離れてひとり暮らしをしている実母の認知症介護の日々を書いた本である。

お父さんの死をきっかけに認知症の症状が出たお母さんは、大学でも教えていたキャリアを持つ。
プライドがとても高く、ひとり暮らしで生活をしているということを自慢にしているそう。

おー! しげさんもひとり暮らしで生活できていることを自慢に思ってるわ♪
共通点は、あちこちにある。
病院に行きたがらない、人の手を借りるのを嫌う…

よく似てるな。
これは、もともとの性格が似ているのか、認知症で色濃く出てくるものなのか…。

著者は、
子どもの世話にはなりたくない。子どもに迷惑をかけたくない。親としての気遣いやプライドが、自分だけでなく、巡り巡って気遣ったはずの子どもを苦しめることになる。だが、母にはその単純な理屈が理解できない。自分の体力を過信していることと、認知症の自覚がないこと、そうしたもろもろが眼を曇らせているのだ。そして自分の掘った穴に、家族もろとも転げ落ちることになる。認知症の初期の介護で、最も陥りやすいパターンだ。
と書いている。

陥ってます!

著者の逢休さんは、すごくマメです。
お母さんの引越しの際に、もの探しの機会を減らすためにいらないものを処分するにも、名刺などはスキャニングしてデータとして残しておいたりと。
私には無理だわ。

そんな、逢休さんに協力してくれる機転の効く奥様。
そんな2人にして病院の受診までに3年!

そしてその後の介護認定やもろもろのことも遅々として進んでいきます。
遠距離ということもあり、まさに綱渡りのような状況ですが、逢休さんの語り口が軽妙で面白く、一気に読めます。
私は電車移動の際にKindleで読みましたが、うなずきまくり。

たぶん、お母さんに負けず劣らず、著者の逢休さん自身も頑固そうです。

お母さんの沢山の本と本棚を処分するのに、少しずつ中身を抜き、最終的に本棚は「譲ってほしいな〜」とおねだりをするという作戦を使います。

こんな作戦が通用する程に認知症が進んでいても、ひとり暮らしができてしまうんですね…。

このお母さんの旦那様、逢休さんのお父さんは、お酒が大好きでお酒が原因で亡くなります。そのお父さんは大学で社会福祉を教えていたそうで、専門は高齢者の福祉。そのためお父さんの残して行った本の中には「痴呆性老人〜その理解と介護のために」「痴呆性老人へのケア原則20ヶ条」などといった専門書が数多くあったとのこと。
そして、認知症になってしまったお母様も大学で教えていたそう。その専門は「アルコール依存」
なんだか皮肉なもんだな。

逢休さんも、
母が依存症患者の断酒を支援していたのに、父は、浴びるように酒を飲み、泥酔した挙句、転んで頭を打って黄泉の国に旅立ってしまう。そして、父が、高齢者福祉を専門にしていたのに、母は認知症を患い、自分が病気になっている自覚すらない。世の中はシュールだ。
と。

先日、介護の仕事をしていたことのある友人から、父・しげさんの様子を聞かれた。
私「病院に行かないし、どうしたいかを尋ねても… 娘の私には見栄もはりたいようだし。困ったよ」
友人「なんとか介護認定まで漕ぎ着けてケアマネさんに入ってもらいたいよね…。1人で子どもを3人育てる娘には気も使うよ〜。他人の方がうまく行くこともあるからね」

なるほど。
他人の方が話しやすいこととか、他人の前だから頑張れるってこともあるよな。
「病院を受診するのが怖い」とか、他人の前ではグッとこらえて頑張ってくれるかも。

3年がかりかぁ。
気長に行くかな…
いや、それでいいのか?

第2弾も読んでみよっと♪

↓こちらの本です

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