親の認知症に気づいたら読む本

著者は川崎幸クリニック院長で1981年より『公益社団法人認知症と家族の会・神奈川県支部の活動に参加し、現在は同会副代表理事・神奈川県支部代表である杉山孝博さん。著書も多数出ています。

「はじめに」にはこんな風に書かれています。
「認知症の人の介護はとても大変です。認知症の親を介護することになった場合、大切なのことは、認知症に関する正しい知識をもつことと、医療・介護・福祉サービスをよく知って上手に利用することです。」

そうですね! 「知らない」ということは怖いことです。
特に介護や福祉のサービスは利用者側からのアクションがなければ何も始まらないことがほとんどですよね。
それも問題だとおもいますが…。


第1章・親が認知症かも? と思ったら

  • こんな症状に気づいたら、認知症かもしれません
  • 記憶力は低下しても、喜怒哀楽は残っている
  • 認知症について知ることが初めの一歩
  • 親が「これまでと違う」と思うこと、ありませんか

第2章・認知症って何だろう

  • 認知症は、ふつうのもの忘れとは違う
  • アルツハイマー型認知症
  • 血管性認知症
  • レビー小体型認知症
  • 前頭側頭型認知症
  • 早く治療を受けると治る認知症もある
  • 「中核症状」と「行動・心理症状」がある
  • 認知症の人は老化のスピードが早い

第3章・親を受診させる

  • まずは「かかりつけ医」を受診する
  • 早期診断・早期治療が大切な理由
  • 医療機関の受診を親に勧めるには
  • 認知症の診断結果を親に告知すべきか
  • 受診する日に子供が気をつけたいこと
  • 認知症の診察・検査はこう行われる

第4章・親が認知症と診断されたら

  • 診断・告知後の親をサポートする
  • 介護・福祉のサービスや施設の情報を集める
  • 親の経済状況を調べて今後の生活を考える
  • 親が服用している薬のことを知る
  • 親が服用している薬を管理する
  • 服薬をいやがる場合どう乗り切るか
  • 身体の健康管理とほかの病気の治療
  • 兄弟姉妹が集まり親のことを話し合う
  • 防災・防犯・安全の対策を考える
  • 介護保険を申請して介護サービスを利用する
  • 在宅介護が難しく施設での介護を考える
  • 親を呼び寄せる場合、Uターン介護の場合
  • 国の認知症の施策「新オレンジプラン」

第5章・認知症の親との接し方

  • 認知症の親の思いに寄り添う
  • 家族が聞いた認知症の人の言葉
  • 気持ちを整理して親の立場に立ってみる
  • できることはある、やりたいこともある
  • 暴言・暴力が激しいとき
  • もの盗られ妄想に困ったとき
  • 過食・拒食・異食に悩まされたとき
  • 排便の失敗や弄便が続いたとき
  • 入浴を拒否し、いくら説得しても応じないとき
  • 知らない聞に家を出て徘徊をくり返すとき
  • 車の運転をやめてくれないとき
  • 同じ品物を何度も買い込むとき

第6章・子供の負担を減らすために

  • 「否定」から「受容」に気持ちが移り変わる
  • まじめに介護する人はストレスがたまりやすい
  • 介護サービスの活用で負担を減らす
  • 完壁な介護は目指さない
  • 大きな問題がなければそのままにする
  • 認知症の親のこだわりに説得や否定はNG
  • 親の住む地域の自治体のサービスを調べる
  • ケアマネジャーと連絡をとり合う
  • 施設は入居したらまめに連絡をとる
  • 成年後見制度の利用を考える
  • 兄弟姉妹の間で介護のリーダーを決める
  • 周囲に協力を求め家族だけで抱え込まない
  • 認知症になっても安心して暮らせる町に

番外編・世界の認知症研究最前線で行われていること


どれも、程よい深度で解りやすく解説されています。
それほど深くは掘り下げられていませんが、私にはちょうど良い♪

「ほぉ〜っ!」となった項目をピックアップ

受診する日に子供が気をつけたいこと

「早い段階から受診日を言わない」

なるほど。
しげさんも、必ずドタキャンの電話が来るわ~
良くあることだと知って少しほっとしました。
鬱っぼいのかもと気になってたんです。
鬱、辛いですもの…

ただ、家の場合は同居では無いので前もって伝えておかないとダメですね。

「医師に説明するための『経過メモ』を持参しましょう」

このメモには、親の病歴、飲んでいるお薬、生活の状況といった現状から、質問しておきたいことなどを書いておくと良いそうです。
当日に、医師に大切なことを言い忘れたり、質問を忘れてしまうことを防げると。

忘れますね! 私は確実に伝え忘れるね。
メモ、持参しよっと。
あら?
そういえば、しげさんの現状を知らないわ…
まず、現状を把握することから始めなくちゃ。

こんなに薄い親子の関係も珍しいのでしょうね。
両親の離婚後の空白の年月「何も連絡が無いってことは、生きてんだろうね」なんて姉と話してました。

でもある意味、この薄い関係に救われているんだと思います。
もっと親密だったとしたら、「私がキチンと介護するんだ!」と意気込んでいたはず。

寂しいですが、正直な気持ち。

この本の中で一番グッと来たのが番外編!

「世界の認知症最前線で行われていること」

『NHKスペシャル アルツハイマー病をくい止めろ! 認知症をくい止めろ!』のデレクターであり、『アルツハイマー病を治せ!』の著書もある青柳由則さんのインタビューです。(このインタビューは2015年のものです。)

Q.認知症の最先端の研究では、どんなことがわかっていますか?
A.アルツハイマー病発症の25年前から、脳がどのように変化しているかが明らかになりました

ワシントン大学を中心に、イギリス、オーストラリア、ドイツの研究機関が協力して進めているアルツハイマー病の「DIAN研究」について、お話ししてくれています。
家族性アルツハイマー(特定の遺伝子を引き継ぐことにより発症するアルツハイマー)の患者さんを長期に追跡・監察した結果、アミロイドβとタウの量の経年変化がわかったそうです。
本にはグラフも掲載されており、アミロイドβは発症の25年前から溜まり始め、発症後には減少し始めます。一方、タウは、発症の15年前から増え始めます。
脳の中でも記憶を司る海馬は発症の15年前から小さくなり始めています。
症状に注目すると、発症の10年前から記憶力の衰えが徐々に見られるようになり、発症後は日常生活に支障が出るようなもの忘れが表れます。
こうして25年という長い年月で進行してきたアルツハイマー病は、実は「症状が出てきた」頃には病気の進行としては末期になるそうです。
この研究結果に基づきアルツハイマーを予防できるのではないかという希望が生まれました。

Q.アルツハイマー病の薬の研究はどこまで進んでいますか?
A.抗タウ薬「LMTX」は最終段階の治験に入っています

今(2015年当時)日本でアルツハイマーの治療に使われているクスリはドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチンの4種類。
これらはどれも進行を遅くする薬であって、アルツハイマー病を根本的に治療する薬は残念ながら無いのが現状だそう。
前出のDIAN研究でも超早期から薬を投与してアミロイドβを叩き予防をするという研究を進めているが、なかなか成果が上がらないとのこと。
一方、イギリスのアバーディーン大学がタウを分解する薬を開発しました。これが「LMTX」です。
最終段階の治験が進み、予定の人数に投与が行われています。
現状が気になって調べたところ7月に結果の発表ができるだろうとの記事を見つけました。
現行のひとつ前の治験で80%の患者に進行を遅らせる、または防ぐ効果が認められたそうです! スゴい♪
アルツハイマー病の患者に見られる海馬の血流の低下も改善されていたということでした。
私、読んでて興奮しました!

ただ、このあとに続く一文は、なんとも…

「ただし、このLMTXが新薬として誕生したとしても、日本で使えるようになるのはずっと先のことです。なぜならドラッグ・ラグ(海外で認可された薬が日本で認可・販売されるまでの時間差)があるからです。今ある4種類の薬も、日本で使えるようになったのは欧米よりも10年後でした。」

10年って! さすがに10年は時間かかりすぎじゃね?

発症から25年前から始まってるということは、70歳で発症するには45歳から…。
私、42歳。
お薬、出来上がれ~!

早期発見のためのスクリーニング検査の研究も進んでいるそうです。
早期発見と予防薬でアルツハイマー病が克服出来るようになりますように!

急げば良いってもんじゃないのもわかるけどさっ
応援しております。

この記事のインパクトが強くて本の紹介がおろそかになっております。
紙面は2色刷りで、イラストも私好みです。
私はKindleで読みましたが、とても読みやすい本です。
すでにこういった「親の介護のマニュアル」といった本を何冊か読んでしまっているのもありますが、やさしく書かれています。その分、具体的な情報はそれほど掘り下げられてはいませんが、そこは問い合わせるなりネットを見るなりして最新の情報を調べた方が良いのかもしれません。このところ、古い情報に踊らされ続けているので…
最初の一冊に良いとおもいます。
LMTXの事を教えてくれたことに感謝。
LMTXもっと調べてみよっと♪
☆3つ~

↓こちらの本です

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